AIが契約書の照合作業を自動化する時代へ

 今回は、AgilePointが提供するAI活用の最新事例として、契約書の自動照合を実現するアプリケーションのデモをご紹介します。

業務で扱う契約書は、日々の運用において非常に重要な役割を担っています。しかし、実際には契約書の内容と社内システム上の情報が一致していなかったり、必要な項目が抜けていたりするケースが少なくありません。こうした齟齬が、請求・運用・サポートといった部門に影響を与えることは、皆さまもご存じのとおりかと思います。

従来の課題:人手による確認と整合性チェック

契約書とシステムの整合性を取るには、従来、担当者が契約書の内容を確認し、手作業で既存システムと突き合わせる必要がありました。しかしこの作業は非常に手間がかかり、ヒューマンエラーのリスクも高くなります。

解決策:AI × AgilePointによる照合の自動化

AgilePointでは、この課題に対し、AIエージェントを活用した照合の自動化というアプローチを提案しています。デモでは、以下のようなプロセスが実装されています:
  • 契約書から、契約名・当事者名・住所などの主要項目をAIが自動抽出
  • 抽出した情報と、Salesforceなど外部の業務システムとを突き合わせて差異を検出
  • 差分があった場合は、確認後にシステムを自動更新
これにより、照合作業にかかる時間を大幅に削減し、情報の正確性を高めることが可能になります。

プロセスの流れ

このアプリケーションは、コンテンツ管理システム上のイベント(例:契約書のアップロード)をトリガーに処理が開始されます。保存済みの契約書にも対応可能です。
  1. AgilePointがイベントを検知すると、プロセスが起動。
  2. 最初のAIエージェントが契約書の種類(ライセンス契約・業務委託契約・相互NDA・マスター契約など)を分類。
  3. 契約種別に応じた分岐処理により、内容の解析と照合が進みます。
  4. エージェントの設定は非常にシンプルで、OpenAIのモデルを選び、プロンプト(指示文)を指定するだけです。

実行結果の確認と対応

プロセスが実行されると、AgilePointのeフォーム上にタスクが表示され、抽出された契約情報が一覧で確認できます。データ比較画面では、契約書と既存システムとの不一致箇所が赤でハイライト表示されるため、ひと目で確認可能です。さらに「署名者タブ」では契約の関係者を一覧表示。「対応方法」タブでは、以下の選択肢から処理を選べます:
  • 差異がなければ「変更なし」
  • 別の契約書ファイルをアップロード
  • AIが抽出した契約情報をSalesforceなど外部システムに登録して整合性を維持

まとめ

このように、AIを活用することで、従来は時間も工数もかかっていた契約書の照合作業をスピーディかつ正確に自動化することが可能になります。
AgilePointとAIの連携がもたらす実用的なユースケースとして、ぜひ今回のデモ動画をご覧ください。



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